03.10.21空冷スターの悲劇・その2<LNタイプ3>+商品宣伝


前回はクランク加工待ちでストップしていた<LNタイプ3>のその後の作業です。写真は破断したコンロッドにのっかっていたピストンです。ピストンヘッドのアルミ肌が露出しています。これははシリンダーヘッドに激しく干渉した為です。クランクから離脱したコンロッドが暴れたことにより、スリーブも割れていました。今回は、待ち焦がれていたクランクが出来上がってきたので2人がかりで張り切って作業しました。

 


クランクの加工があがってきた

こちらから加工屋さんに依頼した作業は、タイプちがいの2つのクランクを渡して、コンロッドを組み換えるというものでした。しかし、たまたま加工屋さんが社外品の未使用コンロッドを在庫していたので、迷わずこちらを選んで組んでもらいました。せっかくのフルオーバーホールですから、確実なパーツ選びしたという訳で、これは純正とほぼ同じクオリティーと思われます。しかし、こんなものに巡り合わせたのも奇跡的です。もちろん、再組み立ての際にバランスどりも行なっています。


びっくりコンロッド標本

1・健康なコンロッド

2・アメのように溶けている。
  異常な過熱によるものと思われる。
  これはスゴイ!美しい!?

3・大腿部がバラバラ


ここからは宣伝しながらの作業

ドライブギア(小)、ドリブンギア(大)は2レーンなので当然プライマリーチェーンは2本使いです。2つのギアとオイルポンプも同時に組み込むのでちょっとコツが必要。オイルポンプの組み付けは、向きに注意して下さい。最後にチェーンテンショナーを組み付けます。
(今回はチェーンの状態は良好なので写真は新品ではありません)

 

N360用プライマリーチェーン2本組


カムチェーンは大分くたびれていたので交換しました。今回のように全バラシした時にはエンドレスタイプ、腰下まで開けずに交換する時にはカシメタイプを使用します。単車のドライブチェーンのようなクリップタイプは使用しません。

 

N360/TN360用カムチェーン
(エンドレス/カシメ共)


クラッチハウジングの中は結構汚れていますので、よく洗って脱脂しておきます。とくにプレッシャープレートの当たり面(クラッチライニングが接触する鏡面の部分)は念入りに油分を取り除いて下さい。

 

クラッチライニング張り替え
(各車対応 ライニング下取りです)


きょうはここまで

というわけで、腰下が組み上がりました。ケースは中も外もきれいになりましたね。サンドブラストをかければホントにピカピカになるのでしょうが、それはカスタムやレストアにお任せしておきます。ここまでくると工場内も色めきたってきました。2人とも、調子よく動くエンジンのイメージトレーニングをしながら、どんどんと、しかし慎重に残りを組み上げます。次回はその続きをレポート致します。

今回ご紹介した以外のパーツも“PARTSコーナー”でご紹介しています。

<その3につづく>