04.2.21 エンジン再組立て〜完成<Z・GTLその3>


前回は分解しながら各パーツのチェックを行ないました。今回はいよいよ組み立てです。シリンダーブロックなどは内側はもちろん、外側もきれいに洗浄しておきます。手を触れるたびにオイルや泥がついていたんじゃ、かえって作業効率が悪くなるからです。しかし最近、春一番が吹き、とても風が強かったのでせっかく洗っておいたモノが砂だらけになってしまい、2度も洗うハメになってしまいました。ですので今度はシャッターを閉め切って完全防備で作業にかかりました。

 


締め付けトルクの管理

クランクキャップボルト、ヘッドボルトなど締め付けトルクの管理が必要不可欠の部位はネジ穴のゴミををエアーなどで吹き飛ばし、ボルトのネジ部分には必ずエンジンオイルを塗ることが重要です。また、複数のボルトを並べてネジ部分の伸びもチェックするとなお正確に締め付けトルクを揃えることができます。

締め付けトルクの管理・その2

左の説明と同じ理由でボルトとワッシャーが接触する部分にも注油しておきます。もちろん、ゴミなども噛み込まないように注意します。締め付けは中心のものから外への順番で行ないます。緩める時はその逆の順序になります。


バランサーチェーンの伸び

上の写真のように新品と比べてみると伸びているのが確認できます。さらに、ひょうたんの窪みを合わせて伸ばしてみると、最後の1コマがよれてしまいます。(矢印部分)バランサーチェーンはメーカー製廃(2004.2現在)ですので当店では独自に製作しました。

EAバランサーチェーン  ¥3500

バランサー機構を組む

上の写真はシリンダーをさかさまに置いています。この状態でバランサーギア、チェーン、スリッパ−を組み付けます。クランクは下死点、バランスウエイトは下がった状態です。正確に組めると上の説明のようになります。(文章で説明するのはムツカシイ・・・)


圧縮を楽しむ

ボアに手のひらを当てて矢印部分を手で回してみます。十分に圧縮が得られているシリンダー、ピストンでしたら、ピストンが降りる時に手のひらが吸い付けられるはずです。何度か繰り返すと「おっ、いい吸い込みしてるね〜」と独り言が出てきます。

腰下終了

オイルパンをかぶせてフライホイール、クラッチなどを組み付けたら腰下は終了です。この状態で車載し、そのあとヘッドとドッキングします。オイルパンパッキン部分などに液体パッキンを併用しているのでエンジンオイルの注入は最低一晩経ってからにします。


走ってみた

補器類を組み付けエンジンをかけてみました。なかなか快調です。キャブ調整、点火タイミングを再調整して走ってみました。サブロクのままでもきちんと組んでやればなかなか快調に加速していきますね。アイドリングもとっても静かなのでこれにて機関は終了です。

残るは外装

本人達が持ち込んだセミバケットのシートを積み込んで、残すはいまにも落っこちそうな運転席扉と、骨が腐ってヨレヨレのボンネットです(頭一個がやっと入るだけしか開かないのでヒンジに缶をかませている)とりあえずここまで無事に終了して一安心です。

Z・GTLの巻、これにて一旦終了です。乗り始めたらあちこち問題出るかもね。その時までごきげんよう。