04.2.27 EAエンジンのクラッチ交換


今回はライフのクラッチ交換についてです。クラッチ交換はエンジンを降ろすことが大前提ですので結構大変です。エンジン内部に問題がある場合でしたらシリンダーヘッドとシリンダーブロックを分割して降ろした方が断然楽チンですが、クラッチのみの作業の場合は写真のように丸ごと降ろすことになります。Z、ステップバンなどEAエンジンの車はほとんど同じ作業になります。

 


クラッチ板の点検

左が未使用、右がすり減ったクラッチ板です。丸印のリベット頭がライニングより潜っていなければなりません。右のモノはすでにツラいちになっています。このまま乗り続けるとプレッシャープレートやフライホイールを削ってしまい、アタリ面の修正が必要になったりします。

プレッシャープレート

左の円盤がプレッシャープレートです。フライホイールと共にクラッチ板を挟み込んでエンジンの動力をミッションに伝達しています。円の中央部分に若干の筋がついてしまっていますが、今回は許容範囲内でしたので洗浄してこのまま使用します。本来は鏡面で真ッ平のつるつるです。


クラッチレリーズベアリング

ミッション側に付いているレリーズベアリングも忘れずにチェックします。ガタの大きいものは交換となりますが、今回はシールをはがして旧いグリスを洗って新たにグリスアップしておきます。シールを剥がす時は小さなマイナスドライバーなどを使用して部品にキズを付けないように作業します。

フライホイールの点検

エンジン側に取り付けられているフライホイールはクラッチ当たり面の荒れ、セルモーターの動力を伝えるリングギヤの磨耗も点検します。指で指している6本のボルトも増し締めしておくとよいでしょう。ついでにFマークやTマークにも印をつけておくと完璧ですね。


クラッチを組む

プレッシャープレートを取り付ける8本の6ミリボルトは2本だけ違うものが使われています。クランク上死点のときの黄印の部分だけネジ穴も異なっています。(注1)

スペシャルボルト

丸で囲ってある部分がキモです。文章では説明がむつかしいので、写真をよくごらんになって確認して下さい。プレッシャープレート側にも○が刻印されています。右上の通常ボルトはその他の6本です。


クラッチの芯出し

プレッシャープレートのボルトを仮締めしたらクラッチ板の中央に棒などを突っ込んで芯出しを行ないます。これを怠るとミッションと結合する時に苦労することになります。

クラッチワイヤーの調整

クラッチ板を交換するとワイヤーも調整が必要になります。ライフ系クラッチワイヤーの遊び調整は工具が入りずらいところにありますので、エンジンを載せる前にあらかじめゆるめておきます。最終的には走ってみて調整した後、ロックします。

エンジンを載せる前にはレリーズベアリングの装着を忘れないように。これ重要!

エンジンを降ろす作業はとっても危険ですので十分に安全を確認しながら行なって下さい。
また、補器類などもみんな外すことになりますので、調子を崩すこともあります。
作業に自信のない方は専門店などに依頼することをオススメします。