04.4.4  年度末にて冬眠終了<N360・その1>


雪深い長野県よりやってきました“Nタイプ2”です。3〜4年ほど不動のままだったのを新年度に向けて復活させようということになりました。しばらく前からエンジンもかからなかったらしく、何があってもいいように、とスペアエンジンや各スペアパーツと共に積載車にのせられて堂々の入庫です。打ち合わせの結果、整備のみならず外側もオールペンすることになりました。幸い、オーナーがウエザーストリップなどゴム類も新品をお持ちでしたので、バリッと仕上がることでしょう。負けじと機関の方もばっちりやりましょう。

まずは割れてしまったダッシュボードのオデコ部分を新品と交換しました。このパーツもかなりの貴重品なのではないでしょうか。バリバリに割れてる車が多いですよね。上の写真のごとく、完全に外してしまった方が結果的にはラクチンです。今回はステアリングのラックアンドピニオンもオーバーホールするのでステアリングコラムも外してしまいました。

 


ダッシュボードを車体から外す

狭い運転席で乗ったり降りたり支えたりしながらの作業なので外す行程の写真はありません。とにかく隠しボルトみたいなものも結構あるので、無理矢理外そうとすると壊すことになってしまいます。この作業は何度やっても好きになれませんね。

オデコ部分を分離する

オデコはツメや接着剤などで留まっています。組み立てる時は交換することなど考えていないんだろうな、という造りになってます。外してみると車体に取り付ける為のネジの部分がことごとく割れていましたので、プラリペアで補修しておきました。プラリペアは画期的補修剤でおすすめです。

リペアパーツは

いよいよ新しいパーツを合わせてみます。すると新しい方は印の部分がカットされていて、その先に取り付けるスチールパーツとの間に隙間ができてしまいます。これは困ったということで、スチール部品の取り付け穴を長穴にして、いっぱいまで手前に寄せて取り付け、なんとか隠しました。

交換終了

ようやく終了しました。せっかくなのでスチールの部分もつや消しのブラックで塗装を施し完成です。ここがきれいだと室内もだいぶ引き締まった感じになりますね。ちょっとうらやましいです。


車体の不具合をチェック

フロントブレーキ

ブレーキは一応踏みごたえがあって、なんとなく効くんですが、ピットに押し入れた時引きずる感触がありました。漏れちゃってドロドロです。

リアブレーキ

ハチが小さいながらも幸せそうなマイホームを構えていましたが、すでに廃虚となっていました。ブレーキピストンは固着して全く機能していませんでした。


ブレーキマスターシリンダー

しばらく動かしてない車はチェックした方がいいですね。ここからも若干漏れた形跡がありましたのでオーバーホールです。

マフラータイコ

エンジンをかけてみたらものすごい爆音です。消音を受け持つタイコ部分が素通り状態です。中身もスッカラカン。この部分はオーナーが持ち込んだ社外品のステンレスのものと交換、ボルトオンでした。

オーナーより「エンジンが壊れているんじゃないか?」とお話がありましたが、そうでもないようです。
記事が前後してしまいますが、エンジンは調子よく復活しました。そのあたりの顛末は次回ご紹介します。
<その2につづく>