04.4.10  いろんなところを修理する<N360・その2>

“信州県”になってしまうのか!激動の長野からやってきたN360の巻、第2回目です。入庫の時点でエンジンは不動でした。コンタクトブレーカーは新品に交換してあるものの、キャブがオーバーフローしてガソリンがシリンダーに流れ込んでしまったと聞いていました。まずはコンタクトブレーカー、点火のタイミングを整えておきます。そしていよいよ問題のキャブを分解です。

 


ジェットが抜けない!

かなりガンコに固着していましたので秘密の溶剤をしみ込ませておいて、なんとか抜くことができました。また、詰まりもひどく、加速ポンプの通り道もふさがっていてポンプのダイヤフラムが行ったきりになって戻らなくなっていました。

フロート内ガソリンはタール状

ガソリンはプリンのカラメルのごとく変質し、各ジェット類はカビが生えたように粉を吹いていました。ミクスチャージェットの抜き取りは失敗するとキャブがパーですのでウデに覚えのある方以外にはおすすめできません。


ステアリングフィーリングの改善

どこに不具合があるのか

ステアリングの遊びが過大な場合、どこかにガタが生じているはずですが、エヌの場合はピニオンのブッシュが決定的な弱点です。ここを改善すると運転のストレスの約40パーセントは解消します(ネオライフ調べ)

ピニオンブッシュの交換

まずはラックエンドを切り離さなくてはなりません。ロックワッシャーがかなりの強敵です。そしてラックガイドを外してそれから・・・詳しくはサービスマニュアルを参照して下さい。


ピニオンブッシュの製作

甲)オリジナルのブッシュ。本来はこのまわりにゴムが巻かれていてダンパーらしき働きをしているが、完全に溶けて無くなっている。(油脂に耐えるゴムで造られているのか疑問)その結果、ガタが生じてしまう。
乙)アルミで製作したブッシュ。
丙)甲と乙を組み合わせて組み込む。

*現在は樹脂製のブッシュを使用、詳しくはお問い合わせ下さい。

ラックエンドの結合

1)ここにロックワッシャーが入っている
2)スパナがかかるように切り欠きがあるが薄手のスパナじゃないと苦しいかも。

最後にギアのバックラッシュ、ラックの渋み調整をして完成



ファンシュラウドの開閉機構を修繕

簡素なフレキシブル機構

このクルマにはなぜか矢印のゴムが入っていませんでした。写真は正規の状態のものです。このなかにハリガネが通っていて、エンジンの振動を吸収しています。フレキシブルと呼のも恥ずかしいくらい単純な仕組みですね。でもうまい!

ホースで再現

豪華?にメッシュホースを奢ってみました。芯の針金も新調します。元々のものは錆びてちぎれて短くなっていたようです。

シュラウドの内側は

良品の内側の写真です。内側に通した針金の芯は立派なロックボルトで留まってます。

ロックボルトをデッチあげる

6ミリボルトに穴を開けて両側からナットで締め上げることにしました。ドリルのサイズがちょっとだけ大きかったらしく、締め上げたらボルトが少し曲がってしまいましたが、まあこんなもんで充分でしょう。しかし、もはや人間の手じゃないね。

このほかにもひと通り各部をチェックして、換えるものは換えて、直すものは直して
車検も取得しました。実際に走行してみましたが、なかなかイイ仕上がりです。
シフトもステアリングもカチッとキマってます。欲をいえばストラットがやわらかいかな。
残すは外装の塗装です。ペイントはツヤが退けちゃってますが、ボディーはとてもしっかりしてます。
ウエザーストリップなどのゴム類も新品をお持ちでしたので、
外装、機関共に全体にかなり出来のいいクルマになることと思います。
ヒジョ〜にうらやましく思うのはオイラだけではないですね。

<その2終了・その3はあるかな?>