杉並区のTさんがダックスのリフレッシュを依頼してきました。数カ月前にパンクしたきり放置してあったそうです。主な依頼内容は、前後タイヤ交換、シートの張り替え、スロットルの戻りが悪い、ドライブチェーンの交換です。これで11月にロングツーリングに出かけるということです。前回の整備からもう数年経過しているので他の部分もひととおり整備してみましょう。
センタースタンドのおかげ センタースタンドがあるとホイールの脱着も苦労がありません。ワイヤーやリンクをはずし、リアのチェーンはミッションカウンターシャフト部分のドライブギアを外すと作業が楽です。 |
タイヤ屋やバイク屋ではやってくれない 合わせホイールは継ぎ目から侵入する雨などで内部が錆びていることが多いですね。このまま腐食がすすむとチューブを傷つけてパンクの原因にもなりますので、カップブラシでサビを落として錆び止めを吹いておきました。これでも次回はまた錆びていることでしょう。 |
ブレーキの洗浄 せっかくハブが単体になったのだから避けて通るわけにはいきませんね。ドラム内部にたまったライニングの粉や古くなったグリスなどを取り除きます。ブレーキシューは強力なバネでひっぱられていますが、コツさえわかれば上の写真のように工具無しで簡単に外れてくれます。 |
ブレーキ整備のキモ ドラム内部やライニングの状態を整えるのはもちろんですが、ブレーキフィーリングにおいて重要なのがブレーキカムの動きです。この部分はサビが発生していることが多く、これを解決すると見違えるフィーリングとなります。ブレーキ周りのグリスは少なからずおおからずです。 |
タイヤの装着 新品のタイヤはビード(内周部分)が堅いので、タイヤ屋さんにはビード落とし専用のクリームがあります。かわりにママレモンなどの洗剤などでもOKですが、最近ではいたるところに大活躍のシリコンスプレーを使用しています。 |
ホイールの向きとタイヤの位置 進行方向に設定のあるタイヤを装着する場合は合わせホイールのエアバルブの穴の向きとの関係をあらかじめ良く覚えておきましょう。また、タイヤには「ここがバルブの位置ですよ」というマーク(写真参照)がついてますのでそれも合わせておきましょう。 |
チェーンの長さを整える 汎用のチェーンは長さが決まっている為、車両のタイプによってコマの数をあわせる必要があります。写真にあるようなチェーンカッターがあるとラクチンですが、初めて使用する時は古いチェーンで練習した方がよいでしょう。 |
チェーンを張る コマの数え方はクリップ部分も含めたピンの数です。セッテイングによるスプロケットの交換などの場合もチェーンの長さは変わってきますのでコマ数の調整は重要です。クリップは進行方向がクローズになるように確実に装着します。 |
シートベースがボロボロ シートの表皮が破れて雨をたっぷり吸い込んでいたのでしょう。ベースの鉄板が割れちゃってますので張り替えはムリですね。 |
困った時にはヤフ−オークション オークションで落札した当時モノの70cc用は値段のワリに予想以上に状態が良く満足です。この車両も50を72ccにボアアップしているのでちょうどいいですね。この時代のシートデザインはカッコいいですね。うらやましいです。 |
各パーツ類の交換がおわり、スロットルの分解修正グリスアップ、キャブのオーバーホールと点火タイミングの調整を施してひととおり終了です。カブエンジンのタイミング調整はフライホイールが小さい分だけ点火マークの位置合わせが非常にシビアです。しかし、ばっちり合わせると見違える調子を発揮しますね。もっとも、結構ずれててもそこそこ走っちゃうんですが、そこがこのエンジンのいいところでもあります。
できあがったのでウチのシャリーと並べてみました。兄弟モデルだけあって良く似てます。オジサンとオバサンという感じですね。エンジンももちろんですが、車体構成部品の互換性もそこそこあるので、低年式シャリーはダックスの部品取りとしてずいぶん潰されちゃったようです。特に鉄フェンダーなどは人気がありました。ちょうどバモスとTNの関係に似てますね。
<Daxホンダのリフレッシュ・おわり>