05.2.2  なんで真冬に?<バモス4>


かろうじて屋根の部分だけ幌が生きているバモス

青/コーヒー野郎 赤/玉ちゃん

「キミキミ、なんでまた真冬にバモスを起こすことにしたんだい?」
「それはね、1/30のニューイヤーミーティングに参加するからなんだよ、」
という訳で、平成7年から眠りっぱなしのバモスを約10日間で長距離自走可能にまで整備して車検を取得するという依頼を受けました。しかもエンジンは吹け上がりが極度に悪く、パワーも全然出ないので3速まででしか走行不可能な状態です。
「走れるようになったところで屋根しかないんじゃ寒いんじゃ・・
「そんなことはわかってるからとにかくやってよ!(急に怒)」
どうやら言ってはいけないことを言ってしまったようです。
本人も「寒くてツライんだろうな〜、」と今から気が重いんですね。
んっ?こいつヤケクソなのか?それとも家庭でなにかあったのか?
いろいろツッこんで八つ当たりされてもたまらないので、冬場は起きながらにして冬眠のコーヒー野郎もツベコベ言わずにがんばることにしました。


点検口があるにはあるが・・

バモスやTNは荷台に点検口がありますが、足元より低い位置の作業はかなり過酷です。特にポイント周りをチェックするときなどは、下から見づらいので上から覗くともっとやりづらくて、また下に降りて・・・「あっ、作業灯を置いてきちゃった」などと、作業が思うようにはかどりません。足腰は鍛えられそうですが、オイラは別に甲子園をめざしているワケではないので、ここが終了しても決して充実感は残りません。さらに、辛い作業はこれでおしまいな訳ではありません。次の作業は精神的に打ちのめされます。

合わせマーク点検は屈辱的作業

1のカバー内がブレーカープレートです。パーキングブレーキのワイヤーなども非常に邪魔ですね。ポイントを洗浄し、ギャップを合わせたら2のカバーの中にあるTFマークの刻みをタイミングライトで確認するワケですが、ココはオイルが回っていますのでエンジンをかけたまま蓋を外すとオイルが顔面に降り掛かるという寸法です。暗いので作業灯を焚いているのですが、電球にかかったオイルが煙りをあげたりしますので、これまた過酷です。かといってオイルを抜いたままエンジン掛けられないもんね〜。写真では飛び散ったオイルの染みも見えますね。顔も手も工具もベトベトです。


ブレーキ周りも強敵!

点火回りを調整し、キャブレターもオーバーホールしたらとりあえずエンジンはまずまず好調です。あとは試乗を繰り返しながら最終的に詰めていくことにして、走る為には今度はブレーキです。ものすごい腐食でしたがピストンはなんとか抜けました。シリンダー内も予想外に虫食いなどありませんでしたので、ばっちり洗浄して再組み付けです。

やっぱり10年間のサビは頑固

ブレーキライニングは台座のサビがひどく、剥がれても困るので全て張り替えました。ピストン、ドラムは徹底的にサビ落としと研摩修正を施します。ピストンのカップはフロントが5/8、リアが15/16インチですのでライフやエヌとのパーツ互換性はありません。


マスターシリンダーもね

マスターシリンダーも分解して洗っておきましょう。とは言うものの、これまた簡単には外れてくれません。これは車体下からマスターシリンダーの小部屋を覗いた図です。赤い斜線の部分にほぼ隙間なく収まっていますので、ペダルとのリンク部分など工具も入れにくいし青い部分のホースも邪魔して一苦労です。逆さまの体勢も腹筋の鍛練にはなりますが、陸上部の鬼顧問、前島先生の顔が浮かんできて気分悪。さらに錆びの粉が目に入ったりもします。こんな時ってリフトがあると楽なんでしょうね。

フルードのカップの先は・・

ブレーキ関係をオーバーホールし、さてエア抜きをしようとスロットルペダル上に設置されているカップにフルードを注ぎこむと限り無く入ってしまいます。「こんなに入るっておかしいんじゃないの?」と床をのぞいてみるとじゃんじゃん漏れてます。カップの先のパイプを引っ張ってみると完全に折れちゃってました。マスターシリンダーをグリグリした時にとどめを刺してしまったのでしょう。この状態じゃ振動で折れるのも時間の問題でしたね。腐った部分を切除してホースでジョイントしました。


スロットルペダルがガタガタ

雨などによる腐食でペダルのヒンジ部分が腐ってちぎれてしまいました。これではワイヤーを引ききれませんし、ナナメのまんまですと、もう片方がちぎれるのはおよそ85km走行後と推測されます。(ネオライフ式算出法による)会場までは片道60km程ですのでもちろん直しておきます。

ヒンジ部分をでっち上げる

ペダル部分の分解も一苦労です。本来フリーで動くはずのシャフトもサビでガッチリ固着していました。ヒンジのわっかの部分はスプリングワッシャーを溶接して成型し、シャフトはビスを通してダブルナットによりでっちあげ終了。



ガラガラの検査場でリサイクル税の計算を待つバモちゃん

今回は車検場の予約が満杯でニューイヤー当日には仮ナンバーで参加となりました。機関はすこぶる快調で、多摩〜相模原〜有明〜相模原〜多摩と、無事に走破できて一安心です。オイラもドライブしてみましたが、寒いんだけど楽しくて、預かっている間はどこへ行くにもこのクルマで出かけてました。「春になったらウチのTNととっかえてくんないかな〜、秋の終わりには返すから。」こんなこと言うと本人は「あ、いいですよ〜」なんて言っちゃうんだよね〜、玉ちゃんは人がいいからね〜、「冗談ですよ、どんどん乗ってね。」

自動車リサイクル税について

車検は予約が取れずに2/1に受験しました。前日の1/31は普段の倍の数の登録関係手続きがあったらしいのですが、2/1当日は検査場は検査ラインも事務手続きもがらがらに空いていました。朝9時頃現場に到着し、検査はすんなり合格したのですが、2/1からは例の“リサイクル税”が徴収されます。このクルマは古い上にナンバーを返納していたという理由でデーター入力がなされていない為、検査場の端末機では支払い用紙の発券ができず、窓口から“自動車リサイクルシステム”なぞという国の管轄とおぼしき機関の本部に連絡して算出してもらうことになりました。しかしこれがまたひどいインチキ機関のようで、「1時間程かかるそうなんですか・・」などど言われちゃったわけですよ。ちょうど部品屋さんへ行く用事もありましたので、時間をつぶして再び戻ると、まだ算出できてない。検査場の窓口の人は「申し訳ありません〜っ」とホテルのフロント係の高嶋政伸さながらの恐縮ぶりなのですが、この人たちの責任ではないので、「オレ、話しますよ」と本部へ電話を掛けてもらいました。「あとどのくらいかかります?」と聞いてみたところ「30分はかかりますね」なんて当たり前のようにほざくので、さすがに普段は温厚なコーヒー野郎も怒り心頭です。とはいえ、人前で大声をあげるほど恥知らずではないので「10分でやってください」と静かに文句を言ったら「無理ですね」だって。スイマセン不手際で、ぐらい言えよ!という感じですね。「ただでさえこんなものを払わされてアタマにきてるにもかかわらず素直に払うと言ってるんだから、さっさと払わせてくれ、とにかく10分でやんなさいよ!」と念を押しましたが、結局、検査場も昼休みに入ってしまい、やっとナンバーを受け取ったのが午後になってからでした。久々にアタマにきちゃいましたね。

ちなみにバモスのリサイクル料金は3390円でした。古いクルマは今後もこんな事態になりかねないので、あらかじめ自動車リサイクルシステムのホームページやファックスなどで料金を算出してから出向いた方が間違いなさそうです。当日は本格徴収の初日だったので(1月中は払っても払わなくてもOKでした)仕方がないかもしれないけど、もうちょっとで「ホント、キンタマくっつけるよ!」と言っちゃうとこでした。やれやれ・・

というわけで、自動車リサイクルシステムのアホアホページはこちら↓
http://www.jars.gr.jp/

<なんで真冬に?〜自動車リサイクル税について・バモス4> おわり

はぁ〜、ここでグチったら大分スッキリしました