HさんTN360のマスターシリンダー
まずは石川県で復活作業中のTN360のマスターシリンダーです。他の部分はほぼ終了したらしいのですが、マスターのピストンが固着して抜けないとのことで送られてきました。見た瞬間「うわっ、ダメかも?」と思いましたがなんとか抜けました。よかった〜。
さて、今回はこのところ続いていたブレーキのトラブルを一挙に紹介します。いくらエンジンがブンブン回っても止まらないんじゃ危険きわまりないですね。教習所の安全運転の映画のごとく、我が身に置き換えてご覧下さい。今回は2元中継です。記事は縦にご覧下さい。
栃木県宇都宮市Sさん/N360タイプ2 症状:ブレーキペダルが戻ってこなくなって、ドラムを引きずってしまうので思いきって踏めない。 |
埼玉県狭山市Tさん/N360タイプ3 症状:踏んでも踏んでも全然止まらない。思いっきり踏むとリアがロックして、どこまでも滑走しちゃう。 |
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フルード漏れはありませんが、サビによるヒドイ腐食が原因で、エヌのブレーキ機構の特徴であるシリンダーのスライドがうまく働いていません。おそらくブレーキを踏んだ時、スライドしたシリンダーが戻ってこない為にトレーディング側のライニングがドラムから離れなくなってしまうのでロックしちゃうんですね。 | まずはフロントです。両輪ともフルードが漏れまくっていて、ブレーキダストと混ざってグリス状になっちゃってます。もちろんライニングはもう使えませんので張り替えです。カップも全然張りがなくなっていましたので交換しましたが、シリンダーの磨耗が気になります。 | |
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ここまでの状態だとサビ落としは必須ですのでバックプレートごと外してしまった方が早いですね。でも、一枚目の写真のごとくパイプも簡単にちぎれてしまいました。ブレーキ周りは“浜辺でも走ったか”と思うくらい、内外ともにものすごいサビがはびこっています。 | リアの左側はフルードが滲んでいるくらいで済んでます。ピストンの動きも良好ですが、シリンダー内を洗浄、内壁を整えてカップ交換です。ライニングもほんのすこしフルードが染みてますのでせっかくだから交換しましょう。 | |
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サビを落としたらもちろん鉄板むき出しになりますので実用ペイントを施しました。シリンダーやライニングもあらかじめ組み付けておいた方がラクですね。普段はよっぽどじゃないとペイントまではしません。ひさびさです。ドラム内側もかなりの腐食跡があり、ゴルフボール表面のディンプル加工みたいになっています。いままでに何があったんだろうか・・ | リアの右側です。ブレーキダストはあるものの一見正常と思われましたが、なんとピストンが固着して全く動いていなかったようです。ということはフロントも全滅だし、フルードにじみの左リアだけで止まっていたということになります。ものすごいですね。これはもう死ぬか殺すか、という“キル・ビル”状態です。 |
*キミたち、生きているって素晴らしいよな〜* <アンタ達、死ぬぞ!・ブレーキ修理編> おわり