05.4.28 昭和63年分解済み<N360エンジン組み立て・その2>

昭和の時代にバラされたN3のエンジンを組み立て、前回の続きです。前回はクランクケースにフタをしたところまででした。このあとプライマリー、クラッチなどを組み込んで、シリンダーやヘッド、カムケースを積み重ねていきます。いよいよオーナーが仕上げた車体(車体はN2)も運ばれてきましたので、早いとこエンジンを積んじゃいましょう。撮った写真が少ないのでかなり大雑把ですがご勘弁下さい。


プライマリーまわりの組み付け

このエンジンはタイプ3なのでプライマリーのドライブスプロケットはダンパーが組み込まれたタイプです。チェーンは新品を2本用意し、半コマずらして組み付けます。オイルポンプ付近のワッシャーやベアリングなどもきちんと確認しながらの作業です。

シリンダーヘッドもバラバラ

シリンダーヘッドも全てバラバラになっていますので、状態の良さそうなパーツを選んで組み上げます。写真は左がカーボンを落としたバルブです。バルブシートの当たり面はいじらないのが鉄則ですが、今回はその部分にも若干手を入れざるを得ませんでした。このあとバッチリ擦り合わせを行い、漏れのチェックを行います。


やっぱり落とし穴が・・

写真はクランクケースのシリンダーを締め付けるネジ穴です。洗浄時には気がつかなかったのですが、折れボルトが残っちゃってます。さらにそれを抜こうとした痕跡があり、赤い線の部分にはクラックも入っていました。この時点で再びバラしてケースを交換しました。つらいね〜、よく見なかった自分が悪いんだよね・・

電装配線も引き受けた

(中略)エンジンを積んでその後です。「オーナーより室内及び灯火類の配線と車検もやっちゃって下さい」と追加発注がありました。ビニールテープ配線は極力カシメに変更して、腐食した端子は作り直します。このクルマには輸出用の2色テールがつくのでブレーキからの配線も増設しています。サブロクテール用の配線では正常動作しないのです。


やっぱりキャブも・・

キャブについては眠らせる前にきれいにオーバーホールしたものがあると聞いていました。が、どこを探しても見当たりません。そうです、すでにホコリをかぶってきれいじゃ無くなっていたのです。一応内部をあらためてみるとフロート調整やスロットル開度なども狂っちゃってます。ついてない部品もありました。再調整してエンジン始動させると、非常に静粛に回っております。さて、いよいよ車検です。

車検合格

調子よく走ってくれるので車検を取得しに行きました。もちろん問題なく合格です。やれやれ一安心と工場に帰る途中、バリバリとエキパイ周辺から排気漏れし始めました。フランジ部分のスタッドボルト穴の1ケ所は元々ヘリサートが施されていて、その部分がケースのアルミごとちぎれてしまっていました。言っちゃ悪いですけど、とてもヘタクソなヘリサートが入っていたんです。もちろん直しました。


とても静かなエヌ、うらやましいね〜

ようやく完成、納車も終了です。なんだかんだで足掛け半年ほどかかりましたので肩の荷が降りたという開放感でいっぱいです。写真がないのでご紹介できませんでしたが、このほかにもドライブシャフトの組み替えやエキゾーストパイプジョイント部分の製作、強制ファンの修理、ケーブル類、燃料ホースなどの交換等てんこもりでした。さすがにエンジンはチェーンなど入手可能な部品はふんだんに良品を使用しましたので静粛かつスムーズです。ボディーもピカピカだし言うことないですね。10数年ぶりにドライブしたというオーナーもこれからイベント等にも参加したいと張り切っております。またサブロクが一台よみがえりました。ウレシイことじゃないですか。

昭和63年分解済み<N360エンジン組み立て・その2> おわり