05.9.27 腐ってもビンテージ<カブC105・その3>
タイヤ交換・試乗・納車



*前回までのあらすじ*
腰上をオーバーホールしたエンジンも調子よく始動しましたし、クラッチや変則も問題なさそうです。でもまだまだ問題は残されていますね。

走行するにはパックリ裂けているタイヤを交換しなくてはなりません。あとは各部の給脂や灯火類を整えればほぼ終了です。しかし見れば見る程ぼろぼろです。車体も機関も電装も写真のメーターのイメージ通りの状態でしたが、やっとここまでこぎつけました。「果たしてスンナリ納車できたのか!」今回でいよいよ最終回です。



ケーブル類の交換と給脂

ケーブルもヒドイね、

タイや交換をしようとケーブルを外してみますと、スピードメーターケーブルはすでに切れていましたし、ブレーキケーブルは簡単にねじ切れてしまいました。このあたりのパーツは共通部品のようで現在でもメーカー純正が適価で入手できます。ただし被覆の色は黒です。オリジナルは灰色のようですが、オリジナルにこだわらなければ新しい方が安心ですしタッチも良いはずです。

メーター、Fブレーキケーブルの交換

ケーブルを交換するにはハンドルカバーを開ける必要がありますが、この時ハーネスなどにストレスを与えないように注意します。問題のケーブル交換のついでにスロットルケーブルのタイコ部分をチェックしてインナーケーブルのほつれなどをチェックしました。いまのところ問題なく機能しているので給脂をしてこのまま使うことにします。

前後のタイヤを交換

タイヤは前後共に裂けていましたので交換です。タイヤもまだまだ入手は可能ですので新品を入れてやります。交換のついでにブレーキのオーバーホールも施しておきます。リアタイヤの取り外しはチェーンカバーがあるのでちょっと面倒ですがアンダーカバーを外せば脱着できました。これでタイヤは安心ですが、リムとスポークの腐り具合がちょっと心配です。

いよいよ試乗

チェーンの給脂

チェーンも大分サビが出ていますがCRCなどをタップリ吹き付けながらジャカジャカ回してコマの張り付きを剥がします。さらさらの油のまんまですとあっという間に飛び散ってカラカラになってしまいますので、CRCをウエスで良く拭き取ってネトネトのチェーングリスを吹き付けておきます。チェーングリスはスプロケットに触れる面に塗布します。

楽しい試乗

試乗ナンバーを取り付けて、いよいよ楽しみにしていた試乗です。いろんな心配とはうらはらにトコトコとかわいい音をたてながら以外にパワフルに走ってくれるので工場の戸締まりをしていないことを忘れてそのまま走り続けて、ちょっと離れた解体屋さんまで油を売りに行ってしまいました。とりあえず合格ですね、というわけでいよいよオーナーに連絡して納車です。

やっぱり最後も落とし穴が・・

スローパンク

納車前日に外に出しやすいところへ移動しようと思ったらリアタイヤがペッタンコです。チューブも古くなるとバルブ付近が千切れちゃったりすることがあります。「もし、そうだとすると直しは不可能なのでホイールごと外してチューブ交換です。これまたよりによってめんどくさいリア側なのでバルブのムシを換えて今一度エアを入れておきました。が、次の日やっぱり抜けちゃってるワケですよ。でも不幸中の幸い、以前の修理跡からの極少の漏れでした(写真左の矢印は気泡)。

路上の異物などが原因のパンクの場合はほとんどが底面ですね。底面に左写真のようにゴム成型の継ぎ目がある場合はパッチを貼るときにこの部分をカッターなどで落としておかないとこのようなことが起こりがちですのできれいに平らにならしてからパッチを当てます。特に自転車のチューブはほとんどこの継ぎ目があったような気がするんですが・・


さらにウインカーがつかなくなった・・
これはボディーアース不良でした。

というわけで無事にオーナーの元へ帰っていきました。出来上がってみるとこのヤレた感じもなかなか捨てがたいモノがあります。泥さえ落とせばそれはそれで時代の流れを感じて自然に見えますね。年式相応、なかなかカッコいいですよ。

はい、お待たせしました。どうぞ乗ってやって下さい。

腐ってもビンテージ<カブC105・その3> おわり