06.2.22 室内のトラブル修理<水冷・ライフ系>



 

今回は室内のトラブルを2件レポート致します。1つめは足元ヒーターユニットからのクーラント漏れ、2つめは前照灯のスイッチなど配線のトラブルです。


ヒーターユニットからの水漏れ〜まずは漏れ部位の確認

もっとも漏れやすいところは

ヒーターユニットの水漏れはちょくちょくある事例です。まずはどこから漏れているのかを確かめます。写真の赤丸が比較的漏れの多い部分です。銅色の部分がエンジン側からの温水を制御するバルブとヒーターコアに連結されるジョイントのホース、この2箇所から漏れることが多いですね。

温水制御バルブ

本体から外したバルブです。(バルブというよりコックだね)ダッシュボードパネルのレバーと連結して銀色の部分が上下に動いて温水ラインのクーラントの流れを制御しています。ここは季節の変わり目くらいしか動かさないところなので固まりやすく、動かしたタイミング、寒くなりはじめくらいの時期に修理依頼が多くなります。季節に関係なくときどき動かしてやって固着を防ぎましょう。

ジョイントホース

先ほどのコックとコアを連結している短いホース部分からも漏れることが多いですね。ホースが劣化している場合は別のホースに換えてしまった方が安心ですが、写真のコア側はカーブしてますのでホースを長めにすると却ってカーブ部分でホースに隙間があいてしまい、そこから漏れることがあるので真直ぐになっているところまでしか差し込まないように長さを整えてバンドを締めるようにします。

でもこのクルマの場合は・・

今回の場合は上記のどちらにも原因がなく、水ラインのサビによりコアが腐食してそこから漏れていたのでした。そうなったら完全に分解してコアを取出さなくてはなりません。この中にはファンによって吸い込まれた枯れ葉やホコリがいっぱいでとっても身体に悪そうです。せっかくなのでついでにクリーニングしました。


ライトスイッチの不具合と発熱

ビニールテープ結線

メーター照明がつかない原因を突き止めようとヘッドライトのスイッチを確認してみようと覗いてみるとスイッチ後ろは後から引いた配線が沢山渦巻いています。もともとスイッチにトラブルがあったのか、他車種のスイッチがついています。このスイッチはスモール配線がライフ系と違う構造なので苦労の跡が伺えます。まずはビニールテープをはがして必要な配線はカラーをあわせてカシメ直し、いらないものは取り外していき、最良の場所からラインを取出し直します。

メーター後ろの基盤

ライフ系のメーターはひとつのユニットとして後側で基盤に組み込まれていますが、その基盤が割れてパターンが寸断されていました。切れた部分はコードでジャンピングしてありました。作業した方の苦労を考えると涙モノですね。このコードも古い感じでしたし、ダッシュボード裏のいろんなところに引っ掛からないように短かめにまとめて引き直しました。

ライトスイッチの結線

別物スイッチでつじつまを合わせる

ヘッドライトスイッチが発熱するのはどこかで抵抗を食っていることが原因です。左のように芯線をそのままネジ止めすると細いヨリ線は断線して本数が減ってしまい、結果1ランク細いハーネスを使用していることと同じような理屈で抵抗が増してしまいます。また、熱を持つことにより腐食も進んでしまいますのでさらに発熱します。その結果、スイッチが壊れてしまったりライト光量がへってしまったりしていいことなしですので、端子をカシメて確実に結線します。その際には接触部分をペーパーなどで磨いておくと尚よろしいでしょう。また、ハーネスの色もできるだけ意味をもたせて合わせておきます。


「日本を支えた昭和の名道具達のアーカイブ」
“ニッポンスタイル”

 
今回は小ネタの合わせ技でしたので、ついでにもうひとつ抱き合わせです。ニッポンスタイルという小学館のサイトですが、ウチのサイトをご覧になるようなみなさんなら十二分に楽しめると思いますよ。バイク、クルマ、電化製品、文房具などの銘品を紹介するデジタルアーカイブです。先日、ネオライフでもエヌ360のオーナーを紹介させて頂いて撮影が行なわれました。来月17日(2006.3.17)には
「スーパーカブ世界5000万台を記念して歴代スーパーカブと世界のスーパーカブの特集を組む予定です。」
とのメールを頂きました。また、
「現在、フォーラム(会議室)も予定中です。公開の暁には、ぜひぜひ、みなさんで書き込みお願いいたします。」
とのことですので、みなさんでお邪魔しちゃいましょう。オイラは団塊の世代じゃありませんが、なつかしい文房具なんかがあって十分楽しめました。これからもっともっと内容が増えていくと期待できます。

 

 

室内のトラブル修理<水冷・ライフ系>
おわり