06.3.8 ハニカムグリルの名のごとく<水冷Z・0号>



 

写真のZ0号を新しいオーナーであるNさんに1日も早く乗ってもらう為に、このところ集中的に作業しています。2年程放置状態だったので一通り手を入れていくわけですが、思いもよらない困難が待ち受けているわけですよ。今回は自動車整備業の枠を大きく越える意外な作業(?)を行ないました。


まずはエンジンの載せ換え

400エンジンがあるよ

Nさんは初登場の時はラリー競技用のランサーに乗っていました。ラリーやダートコースの競技などに積極的に参加していたらしく、クルマはボロボロ。その昔、多摩湖近辺でネオライフのレーシングZにぶっちぎられたことがあったらしく、その頃からず〜っとZを意識していたとのこと。そんなことなら件のレーシングZのエンジンを積んじゃいましょうよ、ということで現在は稼動していないレーシングZを工場の一番奥から引っぱりだしてみました。約4年の間、一度もここから動いたことがなく、ここにクルマがあることさえわからないくらい荷物に埋もれていました。しかもホコリの堆積がすごい!作業できる範囲だけ片付けてエンジンだけ降ろしてまた元の場所に押し込んでおきました。残ったボディーはすでに引き取り手が決まってるので近い内にまた出さなきゃなんないですね。

同時作業で

工場一番奥でコーヒー野郎がレーシングZのエンジンを降ろしている間には、工場一番手前でお茶野郎が0号のエンジンを降ろしています。せっかく道具も出ていることなのでこのまま一気に積み換えてしまいます。外からできる部分をチェックし、クラッチライニングは良いものを選び、タイミングベルトは新品に交換しておきました。2人いる日曜日はだいたいこんなことに夢中になっていたりお客さんが来たりして、昼飯を食いそびれて夕方には腹が減ってしまいます。でも2人とも腹燃費がものすごくいいのでタバコとコーヒーさえ飲んでいればたいした問題ではありませんね。


なんかやたらとハチがいるね〜

ちょっと多すぎるんじゃない?

そんなこんなで作業しているとやたらとハチがいることに気がつきました。写真ではちょっと見にくいですが、パラパラとちらばっているのがみんなハチだったんです。寒いからなのか動きは鈍いですがこれだけいるとちょっとコワイよね。

ハチの巣発見!

やっぱり!右ヘッドライトの隙間に巣がありました。しかも生きたまんまでハチ達が動き回っています。エアで吹き飛ばして引っぱりだしてみるとCDくらいの立派な巣が出てきました。

さらに・・

まだあった!

ヘッドライト下の巣を撤去したにもかかわらずブレーキ回りなんかを作業していると頭の上からときどきポトッとハチが落下してきます。“まだ残党がいるんだろうな”くらいに思っていたら、様子を見に来たNさんが「ギャーッ」という悲鳴と共に腰を抜かしています。なにかと思って見てみるとフロントフェンダーのタイヤの真上あたりにこんなでっかいマンモス団地が建設されていて、立ち退きに反対している住民の一部がまだ生活していました。さっきからここへ頭を突っ込んでブレーキのオーバーホール作業をしていたかと思うとゾ〜ッとしますね。

さらにまだまだ、

2つあったということはまだあるぞ、とチェックしてみますと助手席のヒンジの間にも都心部型縦長マンションが2棟ありました。ここはすでに買収が終わっていたらしく廃虚となっていました。あとリアフェンダー内側には小さいアパートがあり、そこは大家族だったらしく部屋数以上の数の住民が住んでいましたので立ち退いてもらいました。最後に念のため下回りをエアガンでシューシューしながら何回か巡回してみましたが、これにて全て撤去完了のようです。


「ハニカムグリルにはハニカム構造の住宅がピッタリ?」

 
今回の作業はとっても恐ろしかったです。ハチに刺されるとホントに痛いですもんね〜。今回刺されはしなかったですが、あまりにもハチ達が元気な場合やスズメバチなんかの場合は市役所などに撤去をお願いした方が無難ですね。取出した巣は結構立派なものだったので、せっかくだから息子に学校に持っていかせました。昨日行事があり学校へ行ったら早速教室の本棚の上に展示してありました。展示が終わったら今度は工場に展示しようかな?それともNさんに返却する?

 

 

ハニカムグリルの名のごとく<水冷Z・0号>
おわり