チェーンが切れてる

バランサーがあやしい場合はオイルパンを外して確認です。ギヤパーツの破片やアルミの削りかすなどの様子を見て全部バラすかバランサーだけ交換するかを判断します。が、いきなりチェーンが切れてますね、アルミなどの鉄粉も盛大に発生してます。

エンジンは結局降ろすことに

バランサー部分の不具合の場合、ギアやチェーンだけ交換という方法ならエンジンを降ろさずに修理できますが、これだけアルミの粉が出ていると目をつぶるわけにはいきません。粉がメタルの隙間や各部にまわってしまっていると考えると全部ばらして洗浄してやらないとクランクなどがやられてしまいます。

ギアが先かな？

どうやらバランサーのドリブンギアが引きちぎれて、その勢いでチェーンが切れたものと思われます。ばらけたスプロケットはサイドカバーだけでなく、チェーンスリッパー側面も削っていた模様です。

クランクメタル

クランクメタルを外してみるとこのありさまです。アルミの粉がかみこんで過熱され、オイル溝も埋まっちゃってます。焼き付き寸前！クランクジャーナルは荒れてはいるものの、なんとか生きていました。やっぱり全バラコースを選んで正解でしたね。

ピストンに打痕

両ピストンのエキゾースト側にはバルブが当たった形跡があります。ピストン洗浄前の写真で確認してみると、この跡は以前ついたものと判明しました。過去にもなにか事件があったんですね。右の写真のバルブ部分をチェックすると、いろんなつじつまが合ってきます。

バルブガイド

シリンダーヘッドも分解して洗浄、点検します。と、案の定という感じでエキゾースト側のバルブガイドにクラックが発生しています。以前、ピストンとバルブがなんらかの原因でぶつかった時に割れたものと思われますので、このまましばらくの間、走行していたんですね。これにはがっかり。

結局加工屋さん行きに

バルブガイドは製作してもらわなくちゃいけませんので、今回も途中で作業は中断、またまた加工屋さんのお世話になることに。ガイドにはガタも発生していましたので、バルブの当たり面もかなり広がっていました。結局、ガイドは製作してもらって打ち換え、バルブシートはカットにて修正してもらいました。いつもながら素晴らしい出来ばえです。