09.3.2 ツインキャブに積み換えちゃおう・その3<ステップバン>




完成間近!



さてさて今回は完結編、いよいよシリンダー、シリンダーヘッドを積み込んでいきますが、その前に少々残っている作業もありますので、そのあたりをさらっとレポート致します。




リングギアをひっくり返す

リングギアのへたり

スターターモーターを回したときに“ギャーッ”とギアが当たる音が出ることがあると思います。それはフライホイールのリングギアとスターターのピニオンギアがそれぞれ摩耗したためにギアの飛び込みがうまくいかなくなってしまうからなのです。そこでこのクルマは、リングギアをひっくり返して使用することにしました。(写真は組み替え後)リングギアは圧入されてますので引っ張って抜けるものではありませんが、決して叩いて抜いてはいけません。

リングギアの形状

スターター側は歯の下の部分にギア飛び込みのガイドの切り欠きがあり、表と裏で形状の違いがありますので厳密にはあんまり好ましくない作業なのですが、スターター側のギアは対策不可能ですので致し方ないですね。この作業によりあのイヤな音も出なく(出にくく)なりました。ギアの摩耗を防ぐには、エンジン始動に失敗して再度スターターを回す時に、完全にエンジン回転が止まってからキーを回すようにすることですね。ひっくりかえし作業をご希望の方はお問い合わせください。



ヘッドパーツの移植

シングルヘッドからパーツを移植

旧いヘッドから一部パーツを移植します。水温センサー、ファンスイッチはいままで使っていた実績があるモノの方が間違いありません。ファンスイッチは1極のものと2極のものがありますが、どちらも同サイズなので互換します。(ただし、配線回路が違うのでハーネス改造が必要)ベルトプーリーは固着して抜けませんでしたのでプーラーを使って引っこ抜き、サビを落として組み込みました。






電装を整える

ポイント周り

ポイント周りも車体に搭載する前に組み込んでおく方がラクチンです。ベースプレートはオーナーが新品を持っていたのでそれを組み込みました。組み込む時は、ビスで固定するプレートとケースのはめあわせズッコケがちなので注意です。

スイッチ、センサーの配線

シリンダーヘッドに組み込まれているファンスイッチと水温センサーにつながる配線は、漏れたオイルをかぶってガチガチになっていることも多いですし、端子がユルユルになっていることも少なくありません。水冷車の場合は走行中に水温を監視することが鉄則ですので、この部分は見過ごせませんな〜。






完成!

クラッチカバーの摩耗

シリンダーヘッドを積み込んでいよいよキャブレターを搭載です。エアクリーナーケースとの間のインシュレーターはダメになっていたので、工場にあった適当なゴムをはさんでおきました。クリーナーケースはオーナーが塗装して持ち込んだもので、コーションシールも新品、キレイすぎて扱いにくいよ!あえてシルバーにしたのがオシャレですよね。ステップバンをツインキャブ化するにあたって、クリーナーケースのフタとバルクヘッドの干渉が起こる場合ときっちり収まる場合とがあります。個体差があるんですかね〜。このクルマもテンションロッドなどで調整してみましたがギリギリアウト。カタカタうるさいのでウレタンスポンジをはさんでおきました。






その後・・点火周りの強化



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各パーツを組み込んだらキャブレター、点火周りなどをみっちり調整して作業完了です。ツインヘッドにして全域で走りも楽になったとのことですので、思い切ってやったかいがありましたね。しばらくこのまま乗った後、セミトラを装着してみたところ、さらによくなったとのこと、さらにしばらくして今度はコイルを交換してみたら、セミトラの時より効果を体感できたとのことです。こうしてだんだんと育てていくのも楽しいですね。どうもどうもでした〜。


ツインキャブに積み換えちゃおう<ステップバン>
おわり