09.5.30 シャーシブラックが嫌いだ〜!・その1<N600・GB仕様>




積載車でやってきたN600



近畿よりはるばる送られてきたN600、こいつはイギリス仕様らしく右ハンドルです。車検と同時にいろんなところ、特に足回りやブレーキを重点的に点検整備して欲しいというご依頼であります。外装もとってもキレイだし、状態は悪くなさそうだな。「コイツはささ〜っと終わらしちゃうぞ」と、すっかり高をくくっていたオレでしたが・・・



下回りを覗いてみたら・・

これはキビシイかも

下回りを覗いて愕然としました。ブーツが破れているのは特に問題じゃないのですが、とにかくサビがヒドい。そのヒドいサビの上にさらにシャーシブラックが塗りたくってあるワケです。別にシャーシブラックを塗るのは構わないんですが、右写真のようにゴムのブーツからボルトやナットまでびっしり塗りたくってあるとがっかりしますね。これはカンベンしていただきたい。ゴムブーツやブレーキホースに塗ってしまうと、ヒビや割れの原因になりますし、ナットやボルト、特にブレーキパイプのフレアナットに塗られちゃってると緩めるのが困難となり、それこそ最悪の事態です。タイロッドのネジ部や割りピン部分なんかももってのほかですね。塗るのはいいけど、要所要所はきちんとマスキングして欲しいです。ということはきちんと塗るにはほとんどバラした状態じゃないと塗れないということなんですよ。

で、今回のタイトル「俺は(無神経に塗られてる)シャーシブラックが嫌いだ〜」
ほとんどのメカニックが同じことを感じてると思うんだけどな〜・・・


まずはドライブシャフトなど

足回りは全て分解

ドライブシャフトブーツ、ハブベアリングなどを交換するため、足回りは全てバラバラにしてしまいます。ロアアームのラテラルのロッドはどこかにぶつけたのか曲がっていました。これはプレスとハンマーで修正。ボールジョイントのナットは以前緩めようとしたけどナメちゃってあきらめた風でした。しかも固着してる。これもなんとか外してジョイントのダストカバーを交換です。




ストラットのリビルド

開けたらバラバラ

分解してみるとインナーチューブのバルブがバラバラになっていました。おまけにダンプラバーが砕けて、その破片もいたるところに噛み込んでおります。完全分解の上、きれいに洗って代わりのパーツを使用して組み立てます。

完成

矢印のアッパーマウントラバーは新品を使用です。洗浄のときに出来る限りシャーシブラックを落としてみたら、見事な茶色になりました。“鉄は錆びて当たり前”と割り切ればまだまだ使えます。問題は見かけよりも機能なのです。




ラック&ピニオンと強制ファンユニット

ラック&ピニオン

ステアリングのガタが過大だったので、ラック&ピニオンを完全分解の上、不具合の定番であるピニオンブッシュを入れ替えて、新しいグリスを封入し、ラックブーツも新品に交換します。この作業はネトネトのグリスとの戦いですな。

強制ファンユニット

Nのファンユニットはシングルヘッドとツインヘッドの違いの他にシャッター式と写真のドラム式がありますが、ドラム式は噛み込んだゴミや油で動きが渋くなりがちです。分解して洗浄しスムーズに動くように変形を修正して再度組み立てです。必要に応じてペラやプーリーのベアリングも交換します。




この先も長いよ



「俺はサビが好きな訳ではないよ」

なんだか勘違いをしている方がいらっしゃるようですが、俺はサビが好きな訳ではありませんよ、むしろ嫌いです。できればボルトはすんなり回ってくれたほうが助かるし、サビのフレークが目に入るととんでもなく痛いしね〜。でもしつこいようですが、サビよりも無神経に塗られているシャーシブラックやアンダーコートのほうが嫌いです。でも、塗ってある車も多いので結局それらともうまく付き合っていかなきゃならないんだよな〜、適切に塗られていれば錆び止め効果もあるしね〜。という感じで始まりましたN600編、次回はもっとスゴイありさまかもよ。


シャーシブラックが嫌いだ〜!<N600・GB仕様>
その2につづく・・