09.9.29 とことんやんなきゃダメみたい・その2<N360・タイプ3>




割るぞ〜!



というわけで、いよいよ車体からエンジンが降りたので、今回はクランクケースを割ってみようと思います。ブローしたエンジンの中身はどうなっているのでしょうか?ちょっと想像しただけでもコーフンしますね。さあ、新しいパンツにはきかえて準備は整いました。どんどん分解しちゃいましょう。



まずはクラ〜ッチ!

クラッチまわりは油でギトギト

まずはクラッチ周辺を分解します。全体にひどくオイルまみれのエンジンですが、クラッチ周りからも相当漏れていたようです。左写真のクラッチハウジング裏側は全体にオイルが回っちゃってます。右写真のクラッチアウター裏側もじっとりですね。これはクラッチアウターオイルシールの大きい方から漏れてきたものと思われます。小さい方のオイルシールがダメになるとクラッチライニングにオイルが回ってしまいクラッチが滑ってしまいます。このクルマも少々ライニングにオイルが染みていました。

上記の大きい方のオイルシールは現在入手不可ですので、クラッチアウターを切削加工することにより、対応するオイルシールを取り付ける方法で対処します。



プライマリー機構

サイドカバーを開けると・・

クラッチ側のサイドカバーを開けると、どわっとオイルが流れ出てきますが、コイツの場合はアルミの粉も一緒に出てきました。オイルポンプのストレーナーの真下にこんなに溜まっていたということは、目づまりを起こしてオイルを送り込めなくなってしまう可能性もあるのでかなり恐ろしい状態ですね。この様子だとケース内全体に結構な量の鉄粉、アルミ粉がいるはずです。

ぎりぎりアウト!

プライマリードライブギアです。まあ、よくこれでチェーンを駆動できていたもんだ。もしかして滑りながらギリギリ動いてたのかな?。もしも滑っていた(チェーンが歯をジャンプしながら)だったとすると結構な音が出ていたのではないかと予想されます。これを再度このまま組み付ける勇気はオレにはありません。




そしてひっくり返す

今度は下から

クラッチまわりを分解したら、次にその反対側のリバースギア周辺を分解し、エンジンをひっくり返してロアケースを外すといよいよミッション、クランクなどにアクセスできます。家具工房タイムライン製のN360専用エンジン作業台は(左写真の)矢印部分に格納されている台座を入れ替えることによって正立、倒立どちらでもガッチリ固定できる優れもの、ホントに重宝しています。こんなもんが必要な人もそうそういないでしょうが、自分にとっては無くてはならない一生もんの工具です。



ケース内部の状態

オイルパスパイプが・・

ケース内から見慣れないL型のパイプが出てきました。「コレなんだっけ?」と思ったらオイルパスパイプでした。破断したコンロッドに叩かれて曲がっちゃったみたいです。本来は点線のようにまっすぐ形状です。さらにケース内部の隔壁も欠けちゃってます。ちょっとわかりにくいですが、矢印の部分です。

シフト機構はややこしい

動きを確認して問題なければ分解しないことも多いシフトフォークやシフトプレートですが、ケース内隅々までアルミ粉が回っちゃっているのでこの辺りも全て分解して洗浄します。ここはスプリングやスチールボールなどが複雑に組み込まれているので、組付けの時にわかんなくなっちゃうと大変ですよ。




洗いが終わればいよいよ組み立て



「テンショナーローラーも限界だね」

ひととおり分解が終わって、使えるものとダメなものがだいたい判明しましたね。これからしばらくは飲まず喰わずの部品洗浄の苦行と、その合間に滝に打たれながらの部品調達や製作、駅前でティッシュを配りながらパーツ加工の手配などを行います。次回までに己の精神力が人並みに鍛えられたならばいよいよ組み立てに突入できます。今後も適度にご期待下さい。


とことんやんなきゃダメみたい<N360・タイプ3>
その3につづく・・