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なんじゃ〜、この異音は! |
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オイルパンからのぞいてみよう |
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オイルパンを開けてみたら・・ エンジン内部でなにが不調や異音の原因なのかを判断するにはオイルにどんな異物が混ざっているかを目視するのが手っ取り早いのですが、単純にドレンボルトからオイルを抜いても底に溜まったゴミはあんまり排出されないので、オイルパンを剥がして確認するのが間違いありません。このクルマの場合、キラキラしたメタル、灰色のアルミ粉、黒いゴムの破片が出てきました。どうやらバランサーも怪しい感じです。 |
下からのぞいてみると・・ オイルポンプは赤い丸印のストレーナー(フィルター)からオイルを吸い上げて各パーツに圧送されて動作部分が潤滑されるワケなんですが、オイルスラッジによって半分くらいが詰まっちゃってます。よっぽど油圧が下がるとメーター内のオイルランプが点灯して警告してくれますが、これはギリギリだったんですかね〜。そして内部はオイル垢がびっしり。オーナーと相談した結果、ぜ〜んぶ開けてばっちり作業することになりました。 |
EAオートマチックのエンジン降ろし |
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内部パーツの状態を確認してみよう |
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とにかくオイルスラッジがひどい オイルパンの壁にはオイルスラッジがびっしりと。クランクケースの内側も相当汚い状態なんですが、部品を外すたびにタール状になったオイルが出てきます。現オーナーになってからオイルはまめに交換していたようですが、オイル交換くらいではこの汚れは落ちないですね〜。それにしてもそれ以前はほとんどオイル交換せずに乗られていた車両のようです。 |
シリンダーヘッドボルト シリンダーヘッドボルトは一カ所だけものすごく固いところがあったんですが、ここはタールを通り越してすす状になったオイルとサビの堆積物がびっしりとこびりついていました。それだけではなく、過去にシリンダー側のメスネジ部分がダメになったらしくリコイル処理されていたんですが、コイルが一段ずっこけていた影響でボルトのネジ山が完全に潰れていました。全く信じられない“ていたらく”です。 |
なんだかひどい状態だな〜 |
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バランサーギアもご臨終 オイルパンのゴミの中にもあったように、細かいプラスチックのような黒い破片はちぎれたバランサースプロケットの破片だったんですね。で、暴れたスプロケットがサイドカバーを削ってアルミの粉が発生したという訳ですな。納得しました。 |
ピストンもこんなんかよ〜 ピストントップリングが二つに割れています。そして、サイドには焼き付いたような跡があります。これじゃあ随分とパワー不足だったでしょうね〜、しかもオートマ。踏んでも踏んでももっさりとしか進んでいかない状況が容易に想像できます。 |
ヘタクソ〜! |
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なんだか予想していた以上にキビシ〜イ状態のエンジンですな。やっぱり開けてよかったですよ。ボディが極上なだけにエンジンさえしっかりすれば全体にいい感じの車両に仕上がりそうです。 写真のリコイルはコイルを引きずり出してネジ穴を修正し、再度コイルを挿入して事なきを得ましたが、下穴がダメになっちゃったらどうしようもなくなっちゃうので安心しました。リコイルが入っているエンジンもたまに見ますが、斜めに入っていたり、コイルが抜けてきちゃったり、ヒドいのになるとトングを折っていないものとか・・言っちゃ悪いですけどヘタクソなのが多いです。 次回はさらに驚きの事態が・・・お楽しみに! オートマライフ、命からがら登場・その1<ライフAT> |