12.10.26 初期型をバラしちゃおう・その2<N360・タイプ1>




今回はエンジン降ろしです


ホンダからいよいよ“新型エヌワン”が発売されるみたいですが、こちらは元祖エヌワン修理の続きです。今回はエンジンを降ろしながらN2N3との違いを見ていきたいと思います。ホント、エヌワンだけは特殊なんだよね〜。その後のモデルとは部品の互換性も低く、「試作車をそのまま売り出したんじゃないの」と思うくらいです。



バルブ周りの分解

バルブガイドの形状

Nは後期のモデルになるまでガイドシールはつきません。シールがつかないタイプのガイドは1みたいな形状です。後期はインレットのみシールがつきますが、その場合は2の形状です。このクルマはそのどちらでもない形ですが、もちろんシールは使わないタイプです。

バルブフェイス研摩の前処理

バルブがきちんと閉じていなかった原因はバルブの当たり面、バルブシートの荒れのようです。バルブ当たり面の修正は漏れてなくても必ず行うようにしています。加工屋さんに出す前にはきちんとカーボンを除去しておくのもエチケットですが、この作業が結構たいへんなんです。




エンジン降ろし準備

カッコいいカプラーだな〜

ダイナモから生えているハーネスのカプラーはこんな感じです。N2以降は四角い樹脂のハウジングに平端子が組み込まれているおなじみのタイプになります。これはギボシ端子をモールドしてあるんですね〜。カッコいいけど外れやすそうだね。

シフトリンケージなど

車内側にはサブフレームのボルトが2本あります。マウント下のナットが共回りしてしまうのでちょっと面倒ですので、誰かに押さえてもらうと楽にはずせます。シフトリンケージのジョイントにはスプリングピンが用いられています。このピンは脱着に少々コツが要りますがこちらで販売している専用ピンポンチを使えばラクチンですよ。



車体から分離

エンジンは下へ降ろす

Nのエンジン降ろしは下抜きです。ジャッキでゆっくり降ろすのもアリですが、その場合は車体を高〜くカチ上げなければなりません。また、バランスを崩さないようにすることも重要です。ネオライフの場合は2階への荷揚げ用ウインチを利用しています。少しでも高さを下げる為にシリンダーヘッドを外しておいて(どっちみちバラす作業の場合)Nエンジン専用台車へ静かに着地させます。



マウントはだいぶ違うんだよな〜

エンジン固定方法の違い

サブフレームに乗っかっているエンジンですが、N2以降とは固定の方法が全く違います。エヌワンはアームをクランクケース下に潜り込ませてフローティング状態を作り出していますが、それ以降はクランクケースに赤い絵の様なごっついメンバー(梁)を抱かせてフレームに固定します。エンジンの後ろ側、デフ部分の固定もご覧の通り違います。サブフレームはおそらくN2との互換性はないものと思われます。




エヌワンの特徴


「エンジンルーム内もたくさん違いがあるよ」


1)キャブレターはN2でも使われているベローズダイヤフラムピストンのタイプ。ベローズが破れちゃうと修正は難しいかな〜
(2)ブレーキマスターシリンダーはテーブルの上側についてます。
(3)特徴的なのはこれ、ストラットアッパーマウントからエンジンテンションロッドが伸びています。フロントのマウントがあんなんだから暴れちゃったんでしょうね〜。その後は廃止されています。

それ以外にもクラッチケーブルの取り回しとかファンプーリーの形状とかいろいろと違いがあります。

エンジンの重さが身にしみる・その2<N360・タイプ1>
その3につづく・・