13.3.24 STEP VANツイン化計画・その1<ライフステップバン>




from長野県です


長野県からやってきたほぼノーマル状態のステップバンです。偶然にも現オーナーの前は工場そばのお客さんが乗っていた車両です。なんとなくなつかしく嬉しいですね。自走で問題なく工場までいらしたくらいですから調子は良好です。さて今回は、このシングルキャブヘッドのステップバンをツインキャブに積み換えるという作業をレポートしてみましょう。



下ごしらえ

あらかじめヘッドを

ご存知の通り、ネオライフ工場は狭い上に重整備の車両が居座っていることが多いので、まずはオーナーが用意したヘッドやキャブレターなどをあらかじめお預かりして分解整備を先に済ませて、準備ができたらいよいよ車両をお預かりするという段取りにしました。

シリンダーヘッドのオーバーホール

ヘッドカバーがすごくキレイなもんだから期待しちゃったんですが、やはりそう甘くはないですね。中はギトギト、ロッカーアームも半固着状態です。水回りもちょっと怪しい感じがしますな〜



ヘッドはできるだけ手を入れたい

型抜き穴の盲栓

カムシャフトを抜くと見ることができる(右の写真参照)この2ヶ所の盲栓は内側から腐食していることがほとんどです。腐食が進んで使用中に穴が空くとラジエターとエンジンオイルが合流しちゃって大変なことになりますのでヘッドのオーバーホール時には必ず交換します。

ツインヘッド準備OK!

バルブのフェイス面、バルブシートの当たり面は加工修正により整えてもらいます。バルブガイドはガタが大きい場合はガイド製作、入れ替えという作業が必要になります。インレット側より熱の高いエキゾースト側の方がガイドもバルブも痛みやすい傾向にあります。




CVツインキャブレター

どうやら放置モノ

お預かりしたキャブレターは長いこと使っていないモノのようで汚れもカラカラに乾いています。インシュレーターもカッチカチでドライヤーで十分に暖めてからでないと抜けませんでした。乗り続けていてしょっちゅう熱が入るものはこんなふうにはまずならないですね。なんとか分解して洗浄、調整、再組み立て完了です。




いよいよ車両が登場

今回はエンジン降ろし

準備が整ったのでいよいよ車両が入庫しました。シリンダーヘッドの脱着だけなら通常エンジンは降ろさないのですが、今回はフライホイールの交換作業がありましたので全部降ろしちゃいます。

セルモーターを回した時に発生する『ギャ〜ッ』という不快な金属音はスターターモーターとフライホイールの歯車がきちんと噛み合わず、ギヤ同士がぶつかり擦れ合う為に発生します。原因はギヤの摩耗です。右の写真のように刃先が摩耗してしまうと余計にかみ合いにくくなり、ますます『ギャ〜ッ』音が発生しやすくなるという悪循環なのです。こうならないためにもエンジン始動に失敗して再度セルを回す時には一拍時間を置いてクランクの回転が完全に止まってから再びセルを回すように心がけましょう。




事件はこれから


「テンションロッドは長さが違うよ」


こんな感じで作業が始まったワケですが、進めていくにつれ なんだかいろいろウミがでてきちゃうんですね〜。製造から40年も経つし何人ものオーナーが乗り継いできたので仕方ないって言えば仕方ないんだけど、オレの試練はこんな感じで一生続くのかな〜。

STEP VANツイン化計画・その1<ライフステップバン>
その2につづく・・