13.10.29 気絶する(したい)ほど悩ましい・その2<空冷Z GS>




さてさて、どうしたもんかね〜


前回レポートした通りコイツのエンジンはクランクビッグエンドがガタガタのやば〜い状態なので、オーナー所有のスペアエンジン(4速)を持ってきてもらいました。もちろん4速と5速の違いもあるんですけど、それ以外にもエンジンバリエーションによる違いが結構あるんで、つじつま合わせが必要だしめんどくさいんですけどね。でも、スペアがあって良かった〜。今回はその違いを中心にレポートしてみたいと思います。ついでにパーツの宣伝もしちゃいます。



部品取りエンジンを分解する

ピストンのサイズは

部品取りエンジンから使用したいのパーツはガタが発生しているクランクとオーバーサイズが使われていたピストン&シリンダー。部品取りエンジンのピストンはスタンダードサイズだったのでひと安心です。スタンダードなら現在ネオライフでも販売しているリプロ品のリングが使えますもんね。取り出してみたら2個ともトップリングが折れてる。空冷のトップリングは折れてる確率が高いのであまりガッカリもしませんけど、気分はよくないですよね。

N360系/TN360/バモス用ピストンリングセット(HNC製) 6300円(ピストン1個分)

それにしても固着がヒドい

トップリングは折れてたせいかポロっと取れたんだけど、それ以外、特にセカンドの固着が強烈で辟易しちゃいました。これだけ強力に固着しているということは隙き間も摩耗が少ない良好な状態のピストンだぞ、と自分を鼓舞しながらなんとか全数外しました。外れたところでこのカーボンを溶かすのも大変だな〜。ピストンの洗浄だけで数日かかりました。

あ、そうそう、クランクもガタが少なく非常にいい状態だったのでスペアエンジン大活躍です。




プライマリードライブスプロケットの違い

クランクをタイプ違いに交換すると・・・

元々のクランクはドライブスプロケット(左写真矢印)に変速のショックを吸収するダンパーが付くタイプで、新たに使用するクランクはダンパーがついていないタイプです。クランクをタイプ違いに交換するとスプロケットもセットで変えなくてはいけません。スプロケット内側に刻まれている周り止めの形状が互換しない為です。ダンパーがついている方が新しいモデルです。

ただ、これだけではありません。クランクを交換すると必然的に交換しなくてはならないパーツはまだあるんですね〜。




サイドカバーとクラッチカバーの違い

左サイドカバー

クランクケースの左サイドカバーにも違いがあります。ダンパー付きのスプロケットが大型になったため、ケースにも逃げが作られています。(矢印)この特徴で外からでもエンジンのタイプを見分けることができますが、ダンパーなしタイプでもダンパー付きのカバーがついちゃいますので組み替えられているエンジンはやっぱり分解して目視してみないとわかんないですね。

クラッチカバーも

ケースが設計変更されたおかげでクラッチのアウターケースも専用品になっています。一見するとわからないんですが、よ〜く見ると取り付けのネジ穴の位置が違います。カバーに出っ張りを設けたおかげでネジ位置を変更せざるを得なかったんでしょうね。やれやれって感じですね。




ローラー関係のリフレッシュ

カムチェーンテンショナー

カムチェーンテンショナーのローラーが削れて小さくなってしまうとチェーンに張りを与えることができなくなってしまい、ジャラジャラと音が出たり、中で暴れてシリンダーの壁にぶつかったりしますのでリペアキットで再生します。

カムチェーンテンショナーリペアキット
7875円

プライマリーテンショナー

プライマリーテンショナーのローラーが削れて小さくなってしまうとチェーンに張りを与えることができなくなってしまい、スロットルオンオフ時にショックを感じたり、スプロケットの摩耗を早めたりしますので、ローラー外形が小さくなっていた時はリペアキットで再生しちゃうに限りますよ。

プライマリーテンショナーリペアキット
3150円




次回予告!


「気絶したい、マジで」


さて、ここまでは序章です。ホントの気絶事件は上記写真をご覧下さい。ミッションカウンターシャフトのエンド部分がベッコリと摩耗しちゃってニードルベアリングがガッタガタになっちゃっているコレなんです。「ひぇ〜、気絶したいよ〜っ!」次回はこのシャフトの対処対策からレポートしたいと思います。お楽しみに。

気絶する(したい)ほど悩ましい・その2<空冷Z GS>
その3につづく