@オーディオのインチキ修理 05.2.18記


小さいけど本格派

オイラは四六時中、音楽を聴いていたいタチです。CDやレコードは生活必需品と言ってもいいでしょう。ですから再生装置であるオーディオにもほんの少しのこだわりがあります。もちろん何百万円もするセットを揃える趣味はないですし、そういうのは大きな音で聴かなくては意味がありませんね。自分のコンセプトは“極限までコンパクト”です。しかし、いくらコンパクトであっても本格派でなければ納得できません。クルマもオーデイオも“小さいけれど本格派”というのがイイですね。

というわけで、自分の部屋のセットはオーディオが一番輝いていた時期に発売され、マニアを唸らせたというテクニクスのコンサイスコンポが中心のセットです。アンプはプリ、パワーのセパレート式(セパレート式が憧れだったんです)で幅295mm、高さ50mmのサイズでありながらずっしりと重量があります。発売当時はフルセットで30万くらいの値段だったので店先で眺めるのが精一杯でした。このセットは、オークションなどでコツコツ揃えたもので、かなりの格安でセットを組むことができました。実物を見るとホント小さいですよ。一緒に写っているレコードプレーヤーがレコードジャケットサイズですからその小ささがわかると思います。普段はコンサイスのパワーアンプは使わず、一番上に乗っている真空管アンプで鳴らしています。これも小さいですが、自室で鳴らすには実用十分なパワーです。


低音がなんか変!(ボリュームの交換)

部品構成を見て感動!

ある日、レコードを聴いているとなんか低音が不自然に感じます。普段はほとんどイコライジングせずに鳴らしていますが、Bassツマミ(矢印)をいじってみるとフラットの位置で最大が出てしまって、リニアに作動しません。接点を洗浄してみましたが、どうみても回転ボリュームの不良と判断し交換することにしました。裏蓋を開けてみるとパーツや基盤が見事なまでに整然と美しく収まっていて感動です。

お気に入りのコテとコテ台

自宅では久しぶりに半田ゴテ登場です。コテ台はジャンクパーツのコンロッド、バルブスプリング、リアホイールのハブキャップとライフのパーツで構成されています。適度な重さがあって使いやすいですよ。
今回のような電子部品の場合は過熱したコテ先をハブキャップの中の濡らした海綿で冷やしながら慎重に行ないます。

あ〜、目が疲れる、まさか老眼か?

問題のボリュームを慎重に取り外します。足が6本ありますのでやっかいですが、古いハンダをハンダ吸引器で十分に除去して基盤から剥がします。ランドにくっついたまま無理にはがそうとすると基盤のパターンが引きちぎれてしまいますので緊張します。(いままでにいくつのランドを引きちぎったことか・・・)

壊れたパーツの検証

取り外したボリュームは200ΩのBカーブ、ステレオは右左がありますのでこの中に2つのボリュームが組み込まれているワケです。テスターで抵抗値をあたってみましたが、明らかにおかしなカーブを示しています。前のオーナーがCRCでも注したのでしょうか、内部のカーボンがダメになっているのかもしれません。CRCは乾かないので絶対ダメです。接点洗浄剤を使用しましょう。

とっといてよかった、部品取り機

以前、同じコンサイスシリーズのその後の廉価版のジャンクが100円で出ていたので「もしかしたら直せるかも」と入手しておいたのが役にたちました。結局直せずに押し入れにしまってあったコイツを引っ張り出してボリュームを確認すると、形はちょっと違い、シャフトが少し短いですが200ΩのBカーブ!バッチリですね。さすが兄弟機。ちなみにこいつの型式はSU-C03、オイラのはSU-C01です。

機能はバッチリ、しかし・・

パーツを取り付けて復旧し、早速鳴らしてみました。「お〜、正常に動作してるぞ〜」喜んだのも束の間、ノブをはめてみるとシャフトの切り欠きが逆さまです。ここのノブだけ部品取りのを使うか〜、と思ったのですが、オリジナルの美しいデザインを壊したくないのでノブ内側を削って収めてしまいました。このノブがまたメッキといい面取りの具合といい非常に美しいんですよ。

というわけで一件落着、


その他のコンパクト達

スピーカー

スピーカーはテクニクスの技術の結晶、リニアフェイズ機構という、2つのスピーカーを段違いに配置して音の定位を揃えるという技術を取り入れたものです。自分のはシリーズ最小の高さ210ミリという小ささですが、きちんと正面に座ると小さい音量でも驚くべき性能を発揮します。この時代のテクニクスは性能の追求と共にデザインにもかなりのこだわりがあったようで、小さくても高級感を損なわないようにしていたのでは?と思いますね。それなりのおネダンだったもんね。三脚はカメラ用のモノで代用。

枕元のセット

寝る時にも音楽をかけながらなので、枕元にもキットの真空管アンプにCDデッキとタイマーという極簡単で小さなセットを組んであります。スピーカーは同じくテクニクスのフルレンジユニットです。デザインはリニアフェイズシリーズと同系列ですが単発なのでもちろんリニア効果はありません。写真でわかるとおり、これまた小さく設計されていて、カセットテープと同じサイズからは期待以上の整った音を聞かせてくれます。ただし、ちょっと音量をあげると歪んでしまいますので寝床で鳴らすくらいしか使いようがないですね。

私は本格的オーディオマニアのような肥えた耳は持っておりませんので
感想は思いきり主観(インチキ?)ですのであしからず。
また、電子回路の知識もほとんどありません。
今回のような作業については完全に交換整備士(インチキ?)です。

なんとかお気に入りのセットが甦ってレコードなどかけまくっております。
サブロクももちろんですが、テクニクスやソニーなどもコンパクトでありながら
高水準なクオリティーを求めるというところに私は非常にそそられます。
また、デザインも非常に重要です。とにかくボールペン1本、消しゴム1個まで
身の回りのもの全て気に入ったもので揃えたいという願望もありますが、
現実的にはかなり難しいですね。これは夢みたいなもんです。
また、「聴きたいCDや読みたい本も一生のうちに聴き(読み)きれないな〜」
などと考えてしまう中年オヤジの今日このごろです。

<オーディオのインチキ修理・おわり>